【奏】ミントチョコレート

2人っきりの放課後に
フジモにまで
突っ込まれる有様で…


「いい加減に告らねぇと
他の男にもってかれるぞ?」



「わかってっけど…嫌われてるしな」



「明日、花見するだろ?

まぁそん時にでも頑張れや」



って…おい、人の話聞けよ!!!


そう思って睨むと…



「明日、たぶん花見終わったらカラオケ行くだろ?
いつもそのパターンだしな…
その後、俺の家で飲むだろ
その帰りに送って行く途中で告るって言ってたぞ」



誰かは言わない


フジモは軽くない奴だから。



だけど…間違いなくシバだ。



…んなの…


もっていかれて堪るかよ。



「まっ頑張れや」


叩かれた背中は痛いけど
後押しして貰った気がする。



自分の事となると受身な癖によ…



「おまえもな」



「けっ」


悪態づくフジモは俺の大事な親友


光石がフジモを好きでも…

それは変わらない。


フジモにちゃんと云えたって
結果報告が出来るといいな…。




俺の想いも桜と散るかもしれねぇけど、ちゃんと言おう…。




どんな結果になっても

一歩前に進もう。




そう簡単に消せやしない気持ち



光石がフジモを好きだとしても

ダメだとしても

想いは消えないから…



フジモは光石を見てないけど…

それでもいつかはフジモも光石を想う日がくるかもしれない。




それでも…


少しでも…


俺を見てもらえるように


意識して貰えるように


はじめてみよう。




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