【奏】ミントチョコレート


「私は友達と大勢で来たんだけどあんたはここでのんびりしてていい訳?」




「あっ…やべ…

真音、んじゃーな」




時計を確認して、潤は急ぎ足で手を振り人混みに紛れていった。



相変わらず騒がしい奴。


潤がいなくなった途端
周りとは切り離されて
静寂に包まれた。




あぁ…



よく考えれば、私って今アイツと2人で迷子だったんだ…。




「…いま―――」



珍しくアイツが何か言いかけた瞬間



「あぁぁぁぁ!!!


やっと見つけた!!!」



フジモの大声にかき消された。



「やっと見つけたじゃないよ!!

置いてけぼりにすんな」




「ってかちゃんと着いて来いよ~

ソウも何やってんだよ」




悪態ついたら説教くらって、そのまま皆の所まで誘導された。





アイツ…何が言いたかったのかな?



まぁ…どうでもいっか。





皆の所に戻ると

この歳で迷子はないだろ、とか


ミィもソウも有り得ねぇ、とか



散々言われたけど、アイツは涼しい顔してて

それがまた何故かちょっと癪(しゃく)に障ったけど…それもいつもの事だから

すぐに皆の輪に溶け込み飲んで騒いではしゃいだ。




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