【奏】ミントチョコレート

桜の下で飲むお酒は

花より団子ならぬ

花より酒で

綺麗な花にいつもよりお酒が美味しくて

みんないい感じに出来上がり
ほろ酔いになってて

アイツとはあれから

会話すらしてなくて



やっぱり苦手…。




そんな思いだけが大きくなった。






「じゃあ次、移動するか？」


まーさんの声で

いつもの駅近くのカラオケに移動する事になった。



移動中に明日は仕事だからとか

予定があるからとか

帰ってく人も多くて

アイツの姿も見えなくなって

どこかでホッとしてる自分を感じた。






カラオケに行き部屋に入るとまず皆の飲み物を聞く。



カラオケも苦手。


だけど、雰囲気は好き。


歌を聞くのも好き。



音痴だからあまり歌わないけど

場をしらけさせないように何曲か歌う事もあるけど

大抵は注文とったり

手拍子や相槌を打つ事が多い。




今日はみんな酔ってて

特にマイクが回ってくる心配は…

――しなくても良さそう。





フジモが頼んだクリームソーダーが来なくて

フロントに電話するけど繋がらない。




花見や歓迎会が多いこの時期は
店員も忙しいんだろうなっと思い
トイレに行くついでにフロントに向かった。



トイレに行ってフロントに行くと
やっぱり店員さん達は忙しそうで…

とりあえずフジモのクリームソーダーを頼んで周りを見渡した


―――…瞬間


その存在に気付いた。