声。

「なんで、かわいい格好しないの?せっかく、久々のデートなのに。」

私の腕をつかんだまま、笑う人。

懐かしい声に、泣きそうになった。

「だって、どうせ、今日も、無理だって思っていたし。」

かわいくないセリフ。顔をそらした。

「ごめんな?お姫様?馬車へとお連れしますよ?」

ふざけたあなたに、抱きあげられる。

「ちょっ。怖い。おろして。」

「やだ。」

「…。」
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