孤高の狼に捧ぐ恋唄


男が、通り掛かった人にぶつかったのだった。



「なに見てんの?」



男が、私に対して喋っていた軽い声とは違い、

威嚇するような低い声で、ぶつかった相手に言った。



構わずにさっさと行け、と言いたいんだろう。



私は思わず、

「助けて下さいっ」

と叫んでいた。


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