孤高の狼に捧ぐ恋唄


「なんだか放っておけなかったんだよね。

愛情に飢えてるっていうかさ、

痛々しさもあったんだけど……」



マスターはそこで話を切って「おかわりは?」と言い、私は首を振った。



「そう。

なんていうか……

小さな子供が泣きじゃくってるように見えたんだ」



「そしたら、抱き締めてあげたくなって。

勿論、半端ない抵抗があったけどね」



最後は苦笑まじりに呟いた。



「本当は自分が、誰かに必要とされたかったのかもしれないね」



< 107 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop