孤高の狼に捧ぐ恋唄
第四章
呼吸
がらんとした病室で、私はしばらく思いを巡らせていた。
ベッドの中で横たわり、天井を見据えながら、月の無事を祈った。
目の前に広がる白い天井は、心をうすら寒くさせる。
私の目から、一筋ふた筋と涙が流れ、その温もりが冷える頃に巡回の看護師が来た。
「気分はどう?」
紋切り型の質問に、ぼんやりと受け答えをする。
看護師はいちいち頷き、何かしらのコメントを返しながらメモをとっていた。