孤高の狼に捧ぐ恋唄


「明日香ちゃん……?」



振り返ると、そこにいたのは……



「マスター……」



マスターの姿を瞳に捉えた瞬間、私はふらりと体がよろめいた。



「っと、大丈夫?」



マスターに支えられ、私は弱々しく頷いた。



「病室へ戻ろう?」



そう言ったマスターに、私は小さくかぶりを振った。



「それより、月は……月の容態はどうなんですか……?」



必死にとりすがる私に、マスターは囁くように言った。


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