孤高の狼に捧ぐ恋唄


病室へ戻る途中、私を見かけた看護師が、気を利かせて付き添ってくれた。



改めて点滴を私に打ちながら、看護師は少し怒っていた。



「全く。無茶して!」



でも最後に

「お友達、良かったわね」

と言って、笑顔を向けてくれた。



私も笑顔を返すと、看護師は

「今度は安静にね」

と片目を瞑って、イタズラっぽく笑いながら、病室を出て行った。



私は軽く目をつぶり、深く息をした。



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