孤高の狼に捧ぐ恋唄
その囁きは、ひっそりと静まり返る病室に響いた。
私の心から、淀みが消えていく。
私の目からは、あとからあとから涙が溢れ、感情が込み上げてくる。
嬉しさ、愛しさ、そしてほんの少しの切なさ。
月は私の頬をもう一度撫でて、そっと手を離した。
「少し、疲れた……」
そう言って、月はゆっくりと目を閉じた。
月から規則的な呼吸音が聞こえ、寝入ったのを確認してから、私は病室を後にした。
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