孤高の狼に捧ぐ恋唄
「今日、警察……というか、羽生さんから連絡があってね。
亜龍にまつわる話をきいてきたんだ」
ちらりと私の様子を伺うマスターに、私は小さく頷いた。
「亜龍は、随分前から月を付け狙っていたんだ。
以前、たちの悪いやつの彼女が月にまとわりついたことがあるって話しはしたよね?
そのたちの悪いやつの右腕が、亜龍だったらしい。
上に言われて付け狙ってたようなんだ。
でも理由は、それだけじゃなかった」