孤高の狼に捧ぐ恋唄


「月の……妹さんの事件の、犯人の弟だった」



つまり……



「復讐……だったんだよ」



苦しそうに言葉を吐き出すマスターに、私は目眩がした。



月は妹の復讐に亜龍の兄を殺し、

亜龍は兄の復讐に月にナイフを向けた……



どちらも肉親を奪われた復讐に……



「だから、亜龍はまた月を狙ってくる可能性が高いんだ」



そしてマスターは、つらそうに私を見た。



「亜龍の復讐は、月か亜龍が死ぬまで続くかもしれない。

だから、明日香ちゃん……」


< 177 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop