孤高の狼に捧ぐ恋唄


マスターのその言葉に、私は出会った日のことを思い出した。



私が脇道へ入り込み、男たちに絡まれたとき。



月は男たちをのしてから、

『たいしたことじゃない』

って言ってた。



あの時月は、私を助けようとしたんじゃなくて。



ただ、自分に邪魔だった男たちを蹴散らしただけ。



でも、亜龍のときは『守ろう』としてくれた。



それなのに、私は自分を責めるばかりで、月の気持ちを考えていなかった……


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