孤高の狼に捧ぐ恋唄


ここでもし、私が月のそばから居なくなったら、月は『自分が守れなかったから』って責めるよね……?



ねぇ、でも、私……



「でも、私が亜龍にあんな風にされなければ、月は刺されたりしなかったんです……」



絞り出すように呟いた私に、マスターは悲しく微笑んだ。



「でも、月の『守りたい』って気持ちは、何よりも尊いものだと思うよ……

例え自分を犠牲にしても、明日香ちゃんを『守りたい』って気持ちに、応えてあげて欲しいんだ」



月が胸をはって生きれるように……とマスターは力強く言った。


< 181 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop