孤高の狼に捧ぐ恋唄
「亜龍……」
私の呟きと同時に、マスターが病室に足を踏み入れていた。
「おまえはッ……!!」
慌ててマスターは私に近付こうとし、亜龍に止められた。
亜龍は私を盾にマスターを威嚇し、ベッドに背を向けた。
その瞬間、
ガツッと鈍い音がして、私の首に当てられていたナイフが床へと落ちた。
カシャン、と床に落ちたナイフを誰かの足が蹴飛ばしたかと思うと、
再び鈍い音がして、亜龍がドサリと崩れ落ちた。