孤高の狼に捧ぐ恋唄
その煌めきに後押しされるように、私は立ち上がった。
月は怪訝そうに私を見上げている。
私は月に手を伸ばした。
「行こう。亜龍のところへ」
亜龍が目覚めたら、決着をつけよう。
躊躇うことなく、月は私の手を掴んだ。
「あぁ」
短いけれど、力強い返事だった。
月の青っぽい瞳は、冴え渡る青空のようにどこまでも広く、
深い海のようにどこまでも穏やかで、
私は安心して月と共に、亜龍の元へ向かった。