孤高の狼に捧ぐ恋唄
そして、私に言った。
「月のこと、本当に好きなんだね」
マスターの言葉に、私は横に首を振った。
「私、月に迷惑をかけたくないの……
でも、離れたくないの……
寂しいとか、
苦しいとか、
自分のことばっかり……」
そう言った私を、マスターは少し強い口調で咎めた。
「それは月が言ったの?」
「え……?」
質問の意図に思考がついていかない私に、マスターは噛んで含めるように言った。
「迷惑だって月が言ったの?」