孤高の狼に捧ぐ恋唄
気付くと、マスターは店の奥へ行ったようで、私たちは店内に二人きりだった。
少し照れくさく思いながら、私たちは先のことを話し合った。
二人だけの、夢のような時間。
これからずっと、この幸せな時間が続くと思っていた。
ううん、もっと幸せな時間を過ごせると思っていた。
「明日香のご両親に挨拶にいかなきゃな」
少し頬を赤らめ、緊張した面持ちの月が珍しくて、私は微笑んだ。
こんなに幸せな初恋を、月とかわせて良かった。
そう思いながら。