孤高の狼に捧ぐ恋唄
翌日、月は私に宣言した通り、うちの両親に挨拶に来ることになった。
月が来る前夜、私は両親に改まって彼の話をした。
両親は私の知らないうちに、事件後一度だけ『セレネ』へ行ったらしく、月と面識はあったらしい。
両親はこぞって反対したが、私の真剣さに、条件付きで承諾をしてくれた。
高校を卒業すること。
時々顔を見せること……
母は少し涙ぐみ、父は私の顔を見てくれなかった。
ただ『明日香を信じるからな』と一言だけ言った父に、私は頭を下げた。