孤高の狼に捧ぐ恋唄


私に気付いたマスターが、そっと脇に体をよせる。



マスターの向こう側に、白い布を掛けられたベッドがあった。



「明日香ちゃんッ……」



茫然とする私にマスターの制止は聞こえず、勢い良く布をまくった。



「…………ッ!!」



途端、喉元に何かがせり上がってくる。



「んッ……!」



私は無意識のうちに口を抑え、マスターがバケツを目の前に出しても、横に首を振った。



ベッドに横たわっていたのは、体が無残にひしゃげた、変わり果てた愛しい人の姿だった。



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