孤高の狼に捧ぐ恋唄


私は思わず立ち上がった。



「帰っちゃうの……?」



何言ってんだろ、私。

もう時間も遅い。

きっと月の両親も、私の両親も心配してる。



でも、次に会えるかどうかすらわからない不安定さに、

私は胸が苦しくなった。



月は無言で私を見ている。


取り繕うように私が何か言おうとするのを制し、月はゆっくりと口を開いた。

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