孤高の狼に捧ぐ恋唄


月に案内された席に座ると、お冷やとおしぼりが運ばれてきた。



所在なくしている私に、月は相変わらずの無表情で、テーブルにコトリとお冷やを置いた。



そしてそのまま、カウンターへ行ってしまった。



カウンターの向こう側には30代くらいの落ち着いた男性がいて、

その人と二言三言話したと思うと、店の奥へ引っ込んでしまい、姿が見えなくなってしまった。



やっぱり迷惑だったのかな……



そんなことを考えていると、月が奥から出て来た。

< 70 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop