孤高の狼に捧ぐ恋唄
月に案内された席に座ると、お冷やとおしぼりが運ばれてきた。
所在なくしている私に、月は相変わらずの無表情で、テーブルにコトリとお冷やを置いた。
そしてそのまま、カウンターへ行ってしまった。
カウンターの向こう側には30代くらいの落ち着いた男性がいて、
その人と二言三言話したと思うと、店の奥へ引っ込んでしまい、姿が見えなくなってしまった。
やっぱり迷惑だったのかな……
そんなことを考えていると、月が奥から出て来た。