孤高の狼に捧ぐ恋唄


手にはパフェの乗ったトレイ。



すたすたと私の席まで来ると、カチャリ、とそれを私の目の前に置いた。



私が固まっていると、月は小さく言った。



「嫌いか?」



その言葉で呪縛が解けた私は、大きく頭を振った。



「……こないだの礼」



そう言って、私の向かいの席に座る。



私はスプーンを取って、そっとひとくち食べた。



「……おいしい」



その言葉に、月は頷いた。

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