孤高の狼に捧ぐ恋唄


そして後者がまさった。



「月、私はもっとあなたのことが知りたい」



私の気持ちに、月は真摯な瞳で答えた。



「……あと少しでバイトが終わる。

そしたら……話す。

事件の真相を」



待てるか?と言われた私は頷き、アイスの溶けたパフェを再び食べ始めた。



月は立ち上がり、店の奥へと歩き去った。



お客のいないカランとした喫茶店に、パフェのグラスとスプーンがぶつかる音が広がっていた。


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