孤高の狼に捧ぐ恋唄


再び目を開けて話し始めると、月は何かにせき立てられるように言葉を吐き出していた。



まるで誰かに聞いて貰えるのを待っていたかのように……



「俺も妹も、本当の兄妹であることは知っていた。

生活保護の金欲しさに、父親と籍を入れなかったこと。

母親の浮気が原因で、妹は父親に認知して貰えなかったこと。

その後、浮気相手に妹を認知させたこと……」


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