孤高の狼に捧ぐ恋唄
「俺は断ったが、いつの間にか無理矢理酒を飲まされ……
それは、ただの酒じゃなかったんだ。
何かクスリでも入ってたのかもしれない。
気が付いたら、母親も俺も裸になってた。
俺は父親にそっくりらしいから、酔った母親には区別がつかなかったんだろう。
母親はだらしなく寝転がっていて、俺が茫然としていると、
妹が入って来た」
月はその場面をありありと思い出しているのだろう。
白い肌は、今にも倒れそうなほど青ざめていた。