孤高の狼に捧ぐ恋唄


公園を、一陣の風が吹き抜けていく。



その風にさらわれた月の髪。



その耳元に、黒いピアスが光っていた。


街灯に照らされたそれは、乾いた血のようにも見えた。



私の視線に気付いた月は、耳元に指を這わせた。

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