愛した名前
♪~♪っ
手に持つ携帯が鳴る。
メールじゃない・・・
私は携帯を耳にあてる。
「もしもし・・・」
『今どこ?』
早口で聞こえるけいの声。
「みとりちゃんて子の家だよ・・・」
声がふるえる。
隣でみとりちゃんは心配そうに座ってる。
『さっき桜井ってのから電話きた。俺の電話番号教えた?』
私のふるえてる声に気付いたのか、けいの話し声が少しだけ優しくなった気がした。
「教えてないよっ、連絡も全然とってないし、今だって一緒にいない・・・」
私はけいを説得する。