愛した名前


♪~♪っ


手に持つ携帯が鳴る。


メールじゃない・・・


私は携帯を耳にあてる。


「もしもし・・・」


『今どこ?』


早口で聞こえるけいの声。


「みとりちゃんて子の家だよ・・・」


声がふるえる。


隣でみとりちゃんは心配そうに座ってる。


『さっき桜井ってのから電話きた。俺の電話番号教えた?』


私のふるえてる声に気付いたのか、けいの話し声が少しだけ優しくなった気がした。


「教えてないよっ、連絡も全然とってないし、今だって一緒にいない・・・」


私はけいを説得する。



< 106 / 213 >

この作品をシェア

pagetop