愛した名前
『・・・桜井がさきは俺の女だって、』
けいの声がどんどん弱々しくなってくる。
「・・・」
私は黙る。
なんで、あきらが出てくるの?
ちゃんと、ごめんねって謝って認めてもらったと思ってた。
誰があきらにけいの番号教えただろう・・・。
『さき?もしかしてお前・・・浮気?』
黙り込む私に問う。
「・・・え?」
浮気?
どうして?
私、会ってないって言ったじゃん・・・。
連絡もとってないって言ったじゃん・・・。
「けいは・・・さきじゃなくて、あきらを信じるの?」
なんだか気にくわなくて声を低くしてしまう。
『ちげーよ!でも・・・さき、あんまメールとかしてくんないし。俺ら本当に付き合ってんのかなとか、思っちゃうし。そんな時あんな電話かかってきたら、信じたくても、信じらんねーよ・・・。それに、仲、良さそうだな・・・?』
時間がたつにつれて弱々しくなるけいの声。
「仲良くないよ・・・?」
『あきらって桜井のことだろ?』
あ・・・、
私が黙る横でみとりちゃんが口を開けた。