愛した名前


「やっぱ、前にあったことちゃんと話した方がいいんじゃない・・・?」


私は少しして頷く。


「けい、怒んないで、最後まで聞いて?」


『ん・・・あぁ・・・』


けいが小さなため息をついたのが聞こえた。


私が、けいをこんなに苦しめてる・・・


こんなに悲しめてる・・・


最低だ。


ちゃんと、安心してもらわなくちゃ・・・。


「退院した日のメール覚えてる?」


『・・・うん』


「私が好きな人できたってメールしたの、あれ、あきらだったんだ。入院してる時、お見舞い来てくれて・・・私、なんか精神的にまいってたっぽくて、けいとも連絡とれないことが凄く寂しくて、あきらの方に行っちゃった・・・。」


けいは何も言わずに黙ってる。


・・・


「でもね・・・?けいからメールきて、色々考えてて、中体連の日にけいに抱きしめられて、私、凄く幸せだったの。今までこんなに幸せだったことないってくらい、凄く、凄く・・・世界で1番幸せだって思ったんだ。」


電話のむこうで鼻をすする音が聞こえる。


けい・・・泣いてるの?


私は、けいが好きだよ?


誰よりも


何よりも・・・。


だからさ、私を信じて?


「けい・・・好き、大好き、愛してる!!」








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