愛した名前
お父さんが車をとばしてくれたお陰でギリギリ開会式に間に合った。
「さきーっ遅いぞーぃ」
友達が私を見て言った。
「ごめーん・・・」
周りの人が私を見た。
・・・はずい。
私は下を向き気味に横を向いた。
すると、私と同じくらいの中学生らしき男の子と目があった。
かっこいい・・・
私は目を奪われる。
「けい~?」
そう小さくささやく男に呼ばれて振り向く男の子・・・。
「・・・けい」
崎野慶―この名前が頭に浮かんだ。