愛した名前


「決めた!」


泣きやんだ私はけいの目をじっと見て言った。


「・・・?」


けいはわかっていない様子。


「今からあきらのとこ行こ?もう、こうゆうこと、やめてもらおう?」




私はずっと繋がれているけいの手を強く握った。



1回その手を見てけいは


「ありがとな」


また、優しく微笑んだ。


ありがとうは、私だよ。


こんなに迷惑ばっかりかけてるのに、まだ私を必要としてくれる。





「ありがとう・・・」


私は本当に、本当に、小さな声で言った。




「え・・・、」


一瞬戸惑うけい。


だけど、またすぐに笑顔になって繋いでいる手を引っ張る。


「行くか!」





聞こえたのか、わからないけど・・・


きっと、気持ちは伝わったよね・・・?




けい・・・大好きだよ・・・。




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