愛した名前


『さき・・・』


けいが私を呼んでいる。


『けい・・・』



ゆっくり唇が重なりあう。


『・・・けい・・・っ、あっ」







バコッ!



「いっ・・・」


頭をおさえながら起き上がる。


目の前には数学の先生。


・・・え?


「さき、お前どんな夢見てたんだよ!ヤバイ夢でも見てたんじゃね?」


そう言って前にいるたくとがクスクス笑う。

「は・・・?」


周りを見ると皆私を見て笑っている。


みとりちゃんまで笑わずにはいられない様子。





どうやら、授業中に寝ちゃったらしい・・・。


しかも、授業中に私あんな夢・・・!


「たくとぉ!さき、どんな寝言言ってた!?」


私は顔が真っ赤になる。


「え~?くくっ・・・」


たくとは、笑って教えてくれない。


「さきちゃん顔真っ赤ぁ~!」


隣の子までも爆笑・・・。






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