愛した名前


大好きなけいのにおいは、すぐにわかってしまう。


「けいーっ!」


私は後ろにいるけいに抱きついた。


「うぉっ・・・俺今汗くさくない?」


そう言って離そうとする。


「くさくないー。いいにおーい!」


けいのにおいが大好きな私にとって、けいのにおいが臭いなんてあるわけない。


すると、たくとが言う。


「勝った?」


あ、そうだ、試合結果を聞かなくちゃ。


私はけいから離れて聞いた。


「どうだった?」


「勝ったよ。でも、次シードだから・・・無理だわ」


残念そうにけいは言った。


「無理じゃない!無理って思ったら負けなんだよ!」


私はけいに言った。


けいにも勝ってほしいんだよ。


一緒に全国行って、一緒に戦ってきたいんだよ。


だから・・・


「頑張ってよ!」


必死に言う私をけいは笑った。




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