愛した名前


「君だからこそ、目指すんだ。君のバドミントンを世界に見せ付けてみたくはないかい?」


おじさんは迷うことなく、言った。


「どうだ?」


おじさんはニコっと笑って言った。


私は少し考えた。


すると、けいが口を開く。


「さき、強くなりたいんだろ?」


「そう、だけど・・・」


私がそう言うと、けいがまた言った。


「迷うことねぇじゃん?頑張れよ?俺は、さきのこと応援してる。強くなるために、1年間へこたれないで頑張ってきたんだろ?」


けいの言葉は間違ってない。


でも、自信がないんだよ・・・。


「ねぇ・・・私、本当に世界なんかにいける?1位じゃなくちゃ・・・嫌なんだけど!」


負けず嫌いなの。


そのわりには、自信ないし。


そのわりには、諦め早いし。


だけど、誰よりも勝ちたい気持ちも、強くなりたい気持ちもあるの。


でももし、私を信じてくれたら・・・






「君ならできるさ」



おじさんは期待に満ちているような顔で笑った。


この時、私は思った。


この期待にこたえられるかはわからないけど、精一杯、努力しよう・・・。


いや、絶対にこたえてみせるよ。


私は、自分を信じてる――――――







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