愛した名前


「おめぇらー!強くなりたかったらなぁ、全力で走れー!」


この前の優しい笑顔のおじさんとは思えない程の、迫力ある人。


バドミントンが強くて有名な学校の先生だった。


名前は大森先生。


何故か私を可愛がってくれる。


「お~、高杉早いなぁ。まだまだ行けそうだな?」


そう言ってはっはっはと笑う。


「無理だよ!早く終わりたいから、頑張ってるの!その努力をこわさないで!」


私がそう言うと、また笑う。


「そうか。せいぜい頑張れ!あと1週だぞ!」


「わあかってますよー!!!」


はあはあ言いながら大声で叫ぶ。


強くて有名なわりには、マラソンは遅いんだな・・・。


そんなことを思いながら、次々にぬいていく。




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