愛した名前


「だから、福岡に1年間いなくちゃいけなくて・・・けいとも、会えなくて・・・っ・・・」


話してる内に悲しくなって、目から涙が溢れ落ちる。


鼻をすする音も小さなため息も、何もかもすぐにけいに聞こえてしまう。


『あん・・・?泣いてんの?』


私は声がふるえそうで、なかなか声を出せない。


すると、けいは優しく言う。


『俺は、行った方がいいと思う・・・。1年会えねぇのはすっげぇ辛いけど・・・あんは本当は行きたいんだろ?俺と会えなくなるからって、行かなくなられるのは・・・俺が、困る!』


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