愛した名前


少し間があいて


『おう』


と言った。


言う言葉が見つからなくて沈黙になると、またけいが口を開く。


『頑張れよ。応援してるから』



ぽつりとまた、涙が流れた。


だけど、私はちゃんと笑えてる。


悲しいけど、本当は凄く嬉しいことだから。


本当は全国に行きたくて、行きたくてしょうがなかったんだ。


1年けいと会えないからってけいとの関係が壊れちゃうわけじゃないんだ。


でも、私はそれが怖かった。


怖いから、行きたいけど、自分で決断できなかった。


だけど・・・


けいが私の背中を押してくれた。


離れてたって、私はけいが好きだもん。


けいだって、そうだよね?





「けい、あん頑張るよ。だから、ずっとずっと、待っててね?」




ねぇ約束。


毎日、1日も忘れずに私を思い出してね。


浮気なんかしないでね。


帰ってくるまで、待ち続けてね。


『うん。ずっと待ってるよ』



けい、ありがとう。


大好き、


愛してる・・・―――



< 201 / 213 >

この作品をシェア

pagetop