愛した名前

そう言いながらたくとから目を離し横を向いた。


・・・ん?


今、あの子めっちゃ私のこと睨んでなかったっすか?


たしか・・・有澤美斗李(アリサワミトリ)。


クラスでも、まあまあかわいい系の子・・・。


3人くらいで固まって何か話している。


何話してるんだろう・・・。


私はじっとその子たちを見つめた。


「あいつら感じ悪いよな~。あーゆー奴らいっち番嫌い。あの目とかちょーこえ~。な?」


たくとはそう言って私に問いかけた。


「・・・そうだね」


同感。


本当に感じ悪い・・・。


てか、さっき睨んでたのって私だよね?


「ねーたくと・・・さき、あの子たちになんかしたかな?」


ちょっと心配になる。


「してねーべ!さきのことじゃねーって。」


「そうだよね・・・」


私はそう言ってもう一度女の子たちの方を見た。


3人の女の子が私の方を見ている。


鋭い目で・・・・


私は目を丸くして、すぐに目をそらした。


「たくと・・・・・」


小声でたくとを呼ぶ。


「ん~?」


「あの子たち・・・めっちゃ怖いんだけど・・・。やっぱさきなんかしたかも・・・!」


覚えはないけど・・・。


たくとはため息をつく。


すると女の子たちの方を見て、細い目をして女の子たちを睨んだ。


たくとコワ!!!!!!


女の子たちは下を向いてまた何か話し始めた。




たくとは「気にすんな~!さきは何にもしてねーしな。」と言ってくれた。


まあ、そのはずなんだけど・・・。


気にしないなんてできないって・・・。


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