愛した名前

「おっはよーん!」


次の日、全国を目指した私は席に座るたくとの背中を叩く。


「ぅおっ、さき今日テンション高くね?」


ちょっとひきぎみにたくとが言った。


私は引くことなく話す。


「じゃじゃ~ん!なんとさきは、全国目指すことにしましたあ!ぃえぃっ♪」


私は右手でピースをつくる。


「あ~、さきならいけんじゃね?」


たくとは普通~みたいな顔して言う。


「え~!そんな簡単じゃなくない?さき全道しか行った事ないし!」


「それは、さきが全然やる気なかったから・・・」


たくとはため息をつく。


確かに親にやらせられでバドミントンやってたけど!


そんなため息をつく程やる気なかった?!


「んまあー・・・たくと応援よろしく♪」


私はたくとの肩を叩く。


「わかったわかった。俺が練習つきあってやる♪」






それからと言うもの、だらだらやっていた練習も気合いを入れて。

ズル休みもなくして



本気でバドミントンに、バドミントンだけに集中した。




こりゃ私、全国行けちゃうかも~!


ってくらいね♪


中体連は6月。








自分の身に何が起きるかも知らずに私はただ浮かれていた。



神様・・・私は今まで、悪い子でしたか・・・?――――




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