愛した名前

お母さんに連れられて病院に行った私はすぐにMRIをとった。



その写真みたいなものをみて病院の医者は見てすぐに言った。


「うん~・・・靱帯、断裂してるねぇ・・・」


聞きなれない言葉に首をかしげる。


「靱帯・・・断裂しちゃったら駄目ですか?」


何も知らずに問いかける私。


医者はさらっと私のびっくりするような言葉を発した。


「僕は、手術した方がいいと思います」


私は目を丸くする。


「手術って・・・」


「しっかりバドミントンができるようになるのは1年かかるけど・・・」


医者は当たり前のように、喋り続ける。


「手術しないでやったら・・・?」


ちょうど、楽しくなってきたのに。


このまま中学校でのバドミントンが手術して終わるなんて・・・考えられない。


「手術しないでやってたら、何回も繰り返すだけ。スポーツ続けたいなら、いつかはしなきゃいけないと思います」


・・・嘘・・・・・・


どうしよう?


・・・どうしよう?


目から涙が溢れ落ちてくる。


「さき・・・」


涙を拭う私の頭をお母さんが撫でてくれる。


「高校から、また頑張ろう?ねっ!」


お母さん・・・。


私はゆっくり頷く。


悔しい・・・けど、将来できなくなる方が・・・嫌だもん。




私、強くなりたい。


・・・だから決めた。


「手術、する・・・」


手術して、1年間の悔しさばねにして、絶対・・・






強くなる






< 42 / 213 >

この作品をシェア

pagetop