愛した名前
お母さんに連れられて病院に行った私はすぐにMRIをとった。
その写真みたいなものをみて病院の医者は見てすぐに言った。
「うん~・・・靱帯、断裂してるねぇ・・・」
聞きなれない言葉に首をかしげる。
「靱帯・・・断裂しちゃったら駄目ですか?」
何も知らずに問いかける私。
医者はさらっと私のびっくりするような言葉を発した。
「僕は、手術した方がいいと思います」
私は目を丸くする。
「手術って・・・」
「しっかりバドミントンができるようになるのは1年かかるけど・・・」
医者は当たり前のように、喋り続ける。
「手術しないでやったら・・・?」
ちょうど、楽しくなってきたのに。
このまま中学校でのバドミントンが手術して終わるなんて・・・考えられない。
「手術しないでやってたら、何回も繰り返すだけ。スポーツ続けたいなら、いつかはしなきゃいけないと思います」
・・・嘘・・・・・・
どうしよう?
・・・どうしよう?
目から涙が溢れ落ちてくる。
「さき・・・」
涙を拭う私の頭をお母さんが撫でてくれる。
「高校から、また頑張ろう?ねっ!」
お母さん・・・。
私はゆっくり頷く。
悔しい・・・けど、将来できなくなる方が・・・嫌だもん。
私、強くなりたい。
・・・だから決めた。
「手術、する・・・」
手術して、1年間の悔しさばねにして、絶対・・・
強くなる