愛した名前
ご飯を食べ終わると看護師さんがベッドを元に戻してくれた。
まだ少し麻酔が残っているのか、眠くてあまり食べられなかった。
ベッドが元に戻って私はすぐに眠りにつけた。
―――笑ってる・・・・
大好きなあの顔
温かいこの手は
・・・・とても、安心する―――
私は病院のベッドの上で夢からさめる。
愛しい笑顔
温かい手
安心する
誰だったんだろう・・・?
私は病院の窓から外を見つめる。
~♪~♪
マナーモードにするのを忘れた携帯が鳴った。
崎野慶:「手術したって?大丈夫?」
・・・・・慶・・・?
さっきの夢は慶だったのかな・・・?
私の大好きな笑顔は・・・・
私は携帯を見ながら考える。
慶だったらって考えると、なんだか嬉しくて笑顔になる。
その瞬間、ある人の笑顔が浮かび自分でびっくりする。
試合の時見せてくれた、桜井君の笑顔。
私は自分で自分のほっぺをたたく。
「ばかじゃん・・・」
この頃の私、変だよ。
私が好きなのは、けいだよね・・・?