愛した名前


私は・・・


私は・・・?


んー・・・・


気持ちのモヤモヤがおさまらず授業中ずっと考える。


「・・・え?さき、珍しく勉強してんの?」


後ろを向いたたくとが私にむかって言った。


「・・・えっ?」


気のぬけた声がでる。


たくとの話、聞いてなかった・・・。


「さき!そんな勉強集中してんの?!膝じゃなくて頭手術したんじゃね?」


先生にばれないように小さく笑う。


「ぅんー・・・」


私はたくとの話を聞かずに天井を見上げる。


けい・・・?


あきら・・・?


・・・どっちも、大切・・・。


私が本当に大切な人は・・・?


私は下を向き大きくため息をつく。


「えっ・・・さき・・・?」


やっと私の異変に気付いたのか、たくとの顔が心配そうになる。


「あ!や、あの、今日の給食なに?」


たくとに言うことじゃないよね・・・。


あきらのことも言ってないわけだし。


「給食~?えっとー・・・・・・」


私のとっさの思いつきに答えるたくと。


私はまたたくとを無視してため息をつく。


無意識にでるため息は、私の心が何がなんだかわからなくなった事を教えてくれる。






てか、けいは友達で、それでいんじゃん。


なのに、どうして私の心はそれを受け入れてくれないんだろう・・・。



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