愛した名前


これは・・・


「彼女になる・・・」


って言うしかないじゃん?


するとけいはニコって笑って


「俺、お前の彼氏。よろしく」


そう言うとけいは私の頭をくしゃくしゃ撫でる。


もうすっかり泣き顔じゃなくなった私にそっと微笑むけい。





「あ、いたいた!崎野~試合だって」


けいと同じ中学の人が体育館から顔を出した。


「・・・あ、お邪魔だった?!」


ニヤリと変な笑みをうかべる。


「うっせ」


いつものクールなけい。




『応援よろしく』





けいの言葉を思い出す。


「あっ、応援する・・・」


私は小さくけいの服をつかむ。


けいは心配そうに私を見つめた。


「大丈夫か?」


「大丈夫だよ」


けいがいるから。


けいの試合は応援してあげたい。


「そのかわり、絶対勝ってね!」


本気で思った。


勝ってほしい


強くそう思えた。


けいが思わせてくれた・・・・





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