甘々先生。

言ってしまったんだ。

言っちゃいけない言葉を。


流れる沈黙。


あたしのすすり泣く音だけが響いていた。


「ごめん……」


小さく先生は言った。

わかっていた台詞。


無理だってことも承知で告白した。


だけど、


なんでこんなに涙は出てくるの?


「……っ。……っひく」

「赤西、俺とお前は教師と生徒なんだ」

わかってる。

「しちゃいけない恋なんだ」


わかってるよ。


「ごめんな……」


謝らないで、

「謝らないでよ先生、ごめんね。あたし変なこと言って。気にしないで。じゃぁ、ね」

「赤西っ……」


教室から飛び出した。



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