オートフォーカス

すべてのはじまり

クラス替え。

俺は2組だった。


「ついにクラスが別れたな」

コイツは裕也。

小学生の時からの友達で、

なんでも相談してきたし、されてきた。

もちろん、例の元カノの事も相談した事もあった。

裕也はまだ彼女を作った事がない。

裕也いわく、

「俺はみんなのアイドルでいたい」

らしい。

確かに裕也はモテた。

だから、‘みんなのアイドル’というのもあながち間違っていない、と思う。


カーン、カーン、カーン……


始業のチャイムがなった。


3分ほど経ち、

ピンポンパンポン♪♪

校内放送の合図。

《おはようございます。

生徒の皆さんは、始業式を行うので、

9時までに体育館まで移動して下さい。》


はいはい。

心の中で返事をする。


そして長い校長の話が終わり、
担任は…………

ぶっちゃけ、よく知らない人だった。


「はい、じやあ…さっきの式でもご紹介に預かりました……

国…井……優…太…です。

よろしくお願いします。」


と、担任が言い終えると、まばらな拍手が起こった。


「……………はい。」

《なんだ、その微妙な表情は?》
心の中でツッコむ。


「えー……あと、転入生が一人!!

はい、入りなさい」

ガラガラガラガラ………

教室の戸が開いた。
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