ネット彼氏
「いでっ」
「大丈夫かよ?」
「ぎゃはは!ダッセぇ!」
鈍い音…………それは、ゆんちゃんが鞄で金髪の不良さんを殴った音だった。
『ゆ、ゆんちゃん?!』
「ふふふふふ……」
ゆんちゃん、怖いよ!
「あたしの都に手を出す男は許さないよっ!
神が許そうが……このあたしが天罰をくだすでありんす!」
時代劇の見すぎだよ、ゆんちゃん…。
ゆんちゃんは、鬼のような顔をしている。
「んだと?!
何もしてねぇーだろーが!!」
不良さん、キレちゃいました。
「はぁ??
都、泣きそうだったじゃんか!!
てか、涙目だった!」
「意味分かんねぇ!
そっちが勝手に泣いただけだろーがっ」
ゆんちゃんは、不良さんに勇敢に立ち向かう。
「はぁ…。
キミも大変だな」
黒髪の銀メッシュさんは、ため息をつきながら、話しかけてきた。
「つーかさ、アンタの友達、パワフルだなー!」
茶髪の赤メッシュさんは、ニカっと笑いながら言った。
「僕は、佐藤 勇気」
「勇気ずりぃよー!
オイラは、夏川 英紀!
なぁなぁ!アンタは〜?」
困った…。
怖くて何も話せない…。
「無視か?」
黒髪の……えっと…佐藤勇気さんは、ちょっと怒ってる。
「勇気ー!
そんな顔じゃ、余計怖がるって!
そんなんじゃ、馬鹿と同類だぜー?
ぎゃははは!!」
茶髪の……夏川英紀さんは、金髪ピアスの人を指さして言った。