HUMMING LIFE
だから、宏香自身も驚いたのだろう。



宏香の下駄箱には、
しっかりと清潔な水色の封筒が
納まっていたから。



「ね、もしかして、ラブレターかな?」



宏香が興奮した面持ちで話す。



(ここで、またラブレターか。)



と、優香は少しばかり呆れたが、
ありえないこともなかった。



「宏香、凄いよ!
 やったぁ!
 私、死んじゃうぐらい嬉しい!」



あまりにも大袈裟に美嘉が言うから、
実奈と優香は思わず顔を見合わせて
苦笑いした。



実奈と顔を合わすことも
笑い合うことも、ほとんどなかったため、
優香は少し嬉しくなった。



「えーと、何々?
 …あなたが好きです…
 恥ずかしいので名前は控えますが…
 今日の昼休み…コンピュータールームに
 来て下さい…。」



優香は目を丸くした。
本当に告白の手紙だったのか。



滅多に感情を表に出さない実奈も、
目を細め、口をほんの少し開いた。
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