HUMMING LIFE
「おはようございまーす。」



田丸先生が挨拶しながら
教室に入ってくる。



優香は慌てて姿勢を正した。



まだ、花梨が来ていない。
そのことに疑問を持った。



「せんせーおはようって時間じゃないじゃん!」



生徒にそう突っ込まれ、
田丸先生は、短い髪の毛を意味もなく
かきあげ、言いわけを言い始めた。



「あのー先生。」



優香は無意識に先生を呼んでしまった
自分を疑った。



しかし、手はしっかり上がっていた。



「おっ…えー…宮下か。
 なんだ?」



優香は大人しい方だったから、
みんなが沈黙した。



優香の声を聞いたことがない人も
いたくらいだ。



「あー…えっと、あの、
 か、花梨ちゃんって子は
 今日いますか?」
< 18 / 27 >

この作品をシェア

pagetop