HUMMING LIFE
5年生の時はその時で、
ある女の子がクラスを支配していたのだ。



だからその時は、
塾という存在が輝いて見えたものだ...



「うん、行く!」



喜んで返事をした。



それから1年、優香は色々なことを
勉強した。



難しい図形から、まだ習っていなかった、
時速、時間、距離の関係まで全部...



つまり、中学受験に備えての勉強だ。



勉強はそんなに好きというわけではなかったが、
偏差値がどんどん上がる度に、
楽しい、と実感してきた。



優香はミニテストの見直しを終えると、
腕元の腕時計を見た。



時間はあと2分。
優香は名前が書いてあるのを
きちんと確認し、
ふぅ、と一息ついた。



時間は最後まで使う。



余った数分は、頭を休める、
という人もいるが、
優香の意見は違った。
< 5 / 27 >

この作品をシェア

pagetop